都市の喧騒を忘れ、心からくつろげる住まい。マンションという限られた空間だからこそ、自然素材の力を取り入れて、より心地よい暮らしを叶えてみませんか。塗り壁がもたらす豊かな質感と快適な室内環境は、日々の暮らしに上質な彩りを与えてくれます。
なぜマンションリノベには塗り壁がぴったりなのか

自然素材ならではの調湿機能
住まいにおいて、室内環境の快適さは欠かせない要素です。塗り壁に用いられる自然素材は、その微細な多孔質構造により、室内の湿度が高い時には湿気を吸収し、乾燥している時には放出する、まるで「呼吸する壁」のような優れた特性を持っています。また、調湿性能には限りがあり、空間の広さに応じてその効果が発揮されます。そのため、マンションのように比較的コンパクトな空間では、壁面の割合に対して十分な性能を発揮しやすく、より効果的に働くのです。
生活のにおいを軽減してくれる
マンションなどの集合住宅では、生活臭がこもりやすいという悩みを持つ方も少なくありません。塗り壁の素材、特に珪藻土などに多く見られる多孔質の構造は、調湿機能と同時に、匂いを分解するという素晴らしい働きも担っています。料理のにおいやペットのにおい、あるいは生活の中で発生する様々な気になるにおいを軽減し、常に清々しい空気感を保ってくれるのです。化学物質を含まない自然素材が、住まう人の健康とリラックス空間を守ります。
傷みにくく、長持ちする
ビニールクロスなどの合成樹脂を主成分とする素材とは異なり、自然の鉱物から生まれた塗り壁は、経年による劣化や日射による変色がほとんどありません。「塗り壁はボロボロと剥がれる」「寿命が短い」といった印象を持たれる方も多いですが、実際はその逆です。とくに漆喰は、塗布後も長い年月をかけて空気中の二酸化炭素と反応し、徐々に硬く、丈夫に変化していきます。つまり、塗りたての清らかな美しさを長く保てる——それが塗り壁の魅力なのです。
カビの心配が少ない
気密性の高いと言われるマンションでも北側や部屋の隅などは、室内の湿度が原因でカビが発生しやすい環境になりがちです。しかし、塗り壁が持つ優れた調湿性は、カビの発生原因となる過剰な湿気をコントロールし、結露の発生そのものを抑制します。また、漆喰などに含まれる石灰の強いアルカリ性は、カビや菌が繁殖しにくい環境を作り出します。これにより、健康に配慮した衛生的な室内環境を保つことができ、小さなお子様やご高齢の方にも安心して暮らしていただける住まいを叶えます。
塗り壁の種類

漆喰
漆喰は、消石灰を主成分に、海藻から作られる糊やスサなどを加えて練り上げられた、日本の伝統的な塗り壁材です。古くは城郭や寺社仏閣などにも使われ、その美しさと機能性が受け継がれてきました。最大の特徴は、つるりとした滑らかな質感と、雪のように清らかな白。その上品な光沢が、空間に気品と清潔感をもたらします。また、強アルカリ性ゆえに高い抗菌性を備え、カビの発生を抑える効果にも優れています。
珪藻土
珪藻土は、太古の植物性プランクトンの殻が堆積してできた天然資源です。最大の特徴は、その多孔質な構造がもたらす驚異的な調湿性能と消臭効果です。質感はマットで柔らかな風合いが特徴で、土壁のような温かみを感じさせ、リラックスできる空間を作ります。
珪藻土は、固化剤を必要としますが、固化剤に樹脂が使われていると、珪藻土の特性が生かせなくなる可能性があるため注意が必要です。SIMOKUでは、この自然素材の特性を最大限に活かすため、固化剤に自然素材である漆喰を使用した珪藻土を採用しています。
まとめ
塗り壁は、マンションの室内環境を快適に整える機能性に加えて、空間に上質で美しい質感をもたらします。自然素材ならではのやわらかな風合いとぬくもりが、心に安らぎを届けてくれるでしょう。ぜひ、マンションリノベーションでその心地よさを体感してみてはいかがでしょうか。
