住まいの購入は一生に何度もない大きな買い物です。今回は中古マンションを購入する場合の物件探しの選び方について触れていきます。

物件選びには周辺環境や子供の学区、通勤や買い物への利便性なども大切な要素ですが、
今回はポイントを5点に絞って説明していきます。

1. 築年数と耐震性能について

 地震大国の日本では、中古物件を選ぶうえでも「築年数」と「耐震性」は重要なチェックポイントとなります。最近のマンションは新耐震基準で設計・建築されています。
旧耐震基準のマンションは建築確認が1981年6月以前のものであり、築年数では42年くらいの物件になります。
旧耐震基準とは「震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、生活に大きな支障が出ない構造基準」とされ、1978年の宮城県沖地震で甚大な被害が出たことから耐震基準の大幅な見直しがされました。一方で新耐震基準は「震度6強、7程度でも倒壊しない水準」であり、
旧耐震基準に比べてより安心な建物と言えます。

2 . マンションの構造を確認する。

 構造には大きく分けて「ラーメン構造」と「壁式構造」に分類できます。ラーメン構造とは柱と梁で建物を支える構造で、鉄筋コンクリート造のマンションで広く使われている構造です。ラーメン構造は空間が広く取れるのが特徴で、リノベーションをする際にも間仕切り壁を取り払って部屋の位置を変更することも可能です。(大規模改修が可能です)
デメリットは建物の構造である太い柱や梁が室内に突き出し、部屋に凹凸ができてしまうことです。リフォームやリノベーションの際には、設計上の工夫が必要になります。
壁式構造は壁の一部が構造体になっており、ラーメン構造のように柱や梁が突き出ることはありません。しかし、壁式構造の壁は建物を支える構造でもあり、共有部分にもなっていること壁も多いため、壁を撤去して間取りを変更することが難しくなります。
水回り設備や内装の変更を行う模様替えリフォームは問題ありませんが、間取りを大幅に変更するリノベーション向きの物件ではありません。
リノベ前提の物件探しなら壁式構造よりもラーメン構造をお勧め致します。

3 . 中住戸と角部屋について

 マンションで人気なのは角部屋や最上階ですが、中(なか)住戸はどうしょう?両隣に別の住戸があるのが中住戸ですが、角部屋と比べると外気にさらされる壁が少なく外気温や日差しの影響を受けにくいです。夏は室内が暑くなりにくく、冬は開口部も少ない分、冷気も入りにくく過ごしやすい環境といえましょう。また防犯上も開口部が南側と北側の2面しかないので角部屋に比べて防犯対策がし易い面もあります。
壁面も多く家具のレイアウトも選択肢が広がります。価格の面でも角部屋より割安であり、販売されている戸数も多いのが現状です。ただし角部屋ではないので、玄関の前を人が通ることが多くなります。
角部屋は開口部(窓)が2方向にあり、開放的で景色も楽しめる大きなメリットで、やはり魅力のある物件です。ただし外に面する壁が3面になるので、断熱材がしっかり入っているか確認が必要です。物件によっては断熱材の厚みが薄く、窓もシングルガラスになっているケースも多く、リノベーションで改修して性能向上を図るのがお勧めです。 

4 . 管理規約や修繕計画

 物件を選ぶ際に、可能であれば管理規約や修繕計画も確認したいところです。
管理組合のしっかりしているマンションは長期の修繕計画もあり、管理が行き届いているので住人にとっては安心して住み続けることができます。修繕積立金が安すぎる物件は管理組合が正常に機能していないケースもあり注意が必要です。
また、現地を見に行く際にエントランスや共用部分、駐車場などが綺麗に清掃されているかを確認し、掲示板に貼ってあるお知らせなどもチェックすると良いでしょう。
修繕計画や点検のお知らせも掲示板に貼ってある場合が多く、定期的にメンテナンスを
していることが分かります。東日本大震災時に建物被害の有無や修繕した内容も不動産業者から確認して頂くと良いと思います。

5 . 住宅ローンについて

中古マンションを購入する際に住宅ローンを組むかたも多いかと思います。
リフォームやリノベーションを前提で購入する場合は、それらの改修費用も購入費用と
同時に組むことも可能です。同時に組むことのメリットは融資手数料が1回で済むことや金利なども安くなるケースがありあます。
マンション購入は住宅ローンで組み、住んだ後にリフォームローンを組むと融資手数料や抵当権設定登記などが2回必要となり、金利も金融商品によっては住宅ローンよりリフォームローンのほうが高くなる場合があるので、なるべく中古購入+リノベ(リフォーム)で計画したほうがお得ですし、改修の際に仮住まいをする必要もなくなります。

 住宅ローン減税について詳しくは割愛しますが、適用するには新耐震基準のマンション
は制度が適用されますが、旧耐震基準の物件はローン控除が受けられませんので注意が必要です。

まとめ

  中古マンションを選ぶ際は、物件が築42年未満の新耐震基準が良く、リノベを前提とするならラーメン構造、そして管理組合がしっかりしていて長期修繕計画がありメンテナンスを定期的に行っている物件が良いでしょう。
中住戸か角部屋かは、出会う物件とのタイミングもありますし、どちらの物件でもリノベーションをすることにより性能向上も可能です。ラーメン構造であれば間取りも自分のライフスタイルに合わせて大幅に変更することが可能です。
  
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